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Meeting アラスミ!とは

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科長
熊倉純子

Meeting アラスミ!とは、文化芸術基本法の規定に基づき策定された文化芸術推進基本計画が掲げる「地域の文化芸術を推進するプラットフォーム」、そして「地域の連携・協働を推進するプラットフォームの形成」に着目し、先進的な事例に取り組む自治体と協力して学びと実践の場を提供するプロジェクトである。

具体的なフィールドは、東京の隅田川流域(=around すみだ川)ですでにアートプロジェクト的手法を用いたプラットフォーム形成に取り組んでいる足立区、墨田区、台東区である。墨田区が実施しているアートプロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢(通称:すみゆめ)」は、隅田川流域に広く参加を呼びかけ、台東区との連携によって実現しているプログラムもある。一方で、台東区が10年以上実施している「台東区芸術文化支援制度」は、その制度を活用したことのあるアーティストたちが、他の2区でも活動を展開している動きがある。また、足立区が2011年より実施している「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」の市民メンバーたちの中には、他の2区で行われている文化事業に参加している人も少なくない。

このように、3区ではアートプロジェクトを触媒に広域連携の芽が出つつあったことから、3区が共に語り、共に汗をながす実験の場として理論編と2つの実践編を実施した。各プログラムには、文化を担当する3区の職員と東京藝術大学でアートマネジメントを学ぶ学生、そしてアーティストや研究者、アートマネージャー、市民といった一般受講生が参加した。

理論編では、「『新しい文化政策』を考える」をテーマに、全国から先進事例の実践者や研究者を招いて議論する連続講座およびシンポジウムを開催した。2つの実践編では、行政区域を超えた実践を模索した。まず、「アトリエ・ムジタンツ」は、音楽と身体表現の複合的なアートプログラムのファシリテーター、コーデイネーターの育成を目指し、各区の個別の課題やニーズに対応したプログラムを企画・実施した。つぎに、「千住の1010人in/from 2020年」では、3区にまたがる隅田川を全面的に用いたコンサートを実現すべく、3区間の対話と調整を進めた。それぞれの実践編では、各区の市民を中心に受講生やメンバーを集め、行政単位での取り組みと市民単位の関心をつなげることでより柔軟な連携を目指した。

2年目以降はコロナ禍にみまわれ、特に実践編は苦渋の選択の連続となり、想定していたより歩幅が小さくなったものの、熱心な行政側のサポートに支えられいくつかの貴重な成果を残すことができた。とりわけ、福祉の現場からの切実な要望の声に、今後に対する勇気をもらったのも事実である。

主催|東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科
文化庁 大学における文化芸術推進事業「2020の先にある新たな文化政策を実現するための広域連携について思考し実践する人材育成講座 Meeting アラスミ!」
後援|足立区 墨田区 台東区
協力|「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会

理論編「新しい文化政策」を考える

《講座運営》
ディレクター:森隆一郎
事務局:今井祥子、長尾聡子、韓河羅、槇原彩、楊淳婷
テクニカルサポート:石川清隆、岡千穂、庄子渉、中野哲、根本駿介、吉田武司
撮影:中川周
グラフィックデザイン:竹内公啓

《WEBアーカイブ》
編集:aTs企画所 西内亜都子
編集協力:韓河羅、森隆一郎
アドバイザー:槇原彩
イラスト:apex design 山本志都代
特別寄稿:岡田千絵、三田真由美

実践編1「アトリエ・ムジタンツ」

事務局:石川清隆、酒井雅代、山崎朋
アドバイザー:箕口一美
実践協力:南條由起
アーカイブ:鐘ケ江織代
協力:NPO法人 台東区の子育てを支え合うネットワーク(たいとこネット)、興望館保育園、日本ホーリネス教団 上野教会、ポルテあすなろ、ポルテホール連絡協議会、両国門天ホール
ゲスト講師:阿南一徳、苅宿俊文、長津結一郎
撮影:平舘平、中川周、西村明也
テクニカルサポート:庄子渉、中野哲

実践編2「千住の1010人 in/from 2020年」

事務局:石橋鼓太郎、櫻井駿介、西川汐、吉田武司
ゲスト講師:野村誠(千住だじゃれ音楽祭 ディレクター)
撮影・映像編集:甲斐田祐輔
撮影:西村明也、冨田了平、星野有樹
テクニカルサポート:昆野立
協力:京成電鉄株式会社、東京水辺ライン、国際交流基金アジアセンター

全体総括:熊倉純子
事務総括:幸村和也、谷地田未緒
会計:三橋愛子、奥村由子
WEBデザイン:岡澤理奈
プロジェクトメンバー:足立区シティプロモーション課、墨田区文化芸術振興課、公益財団法人墨田区文化振興財団、台東区文化振興課
(順不同)