はじまりのミーティング
講座「評価について(講師:長津結一郎)」
講座「ドキュメンテーション」(講師:鐘ケ江織代)
模擬実践「オンライン版思考と試行の回」
実践 | 足立区
実践 | 墨田区
実践 | 台東区(中止)
ドキュメンテーション+評価について(足立区実践・墨田区実践)
3区合同振り返り

はじまりのミーティング

2021年5月16日(日)
会場:千住キャンパス+オンライン(Zoom)

内容:大人向けにムジタンツのプログラムを実施し、実際にプログラムを体験してもらった後に、2021年度のカリキュラムについての説明会を行いました。また、ムジタンツのプログラムについての解説も付け加えながら、プログラムをデザインしていく上で大切にしていることを共有しました。
(文:酒井)

講座「評価について」

講師:長津結一郎

2021年5月14日(金)、6月9日(水)、6月12日(土)
会場:オンライン(Zoom)

内容:様々な世代や属性の参加者に対し、プログラムを誰にどのように届け、振り返るのかについての学びを深めるため、評価に関する講座を実施しました。長津結一郎氏(九州大学大学院芸術工学研究院 コミュニケーションデザイン科学部門 助教)をファシリテーターとして招き、参加型評価を行い、ロジックモデルを組み立てる試みを行い、実践後に省察をしながら、先に組み立てたロジックモデルの再考も実施しました。自分たちの活動を省察し、評価するための指標ができ、何を目指し、それについてどう省察するのかについて解像度をあげて考えることができました。
(文:石川)

講座「ドキュメンテーション」

講師:鐘ケ江織代

2021年6月24日(木)、7月10日(土)
会場:オンライン(Zoom)

内容:鐘ケ江織代氏(インディペンデント・リサーチャー/パレイドリアン代表)を招き、ドキュメンテーション(記録の手法)の基礎的な考え方と手法についての講座を実施しました。ドキュメンテーションとはどのようなものか、どのようなことに気をつけながら記録を行うかなど、基本的な部分についての講義のほか、ワークとして、ムジタンツの過去の実践映像を用いて、ドキュメンテーションをどのように行うかを、事務局、受講生ともに体験しました。
(文:石川)

模擬実践「オンライン版思考と試行の回」

2021年9月12日(日)、9月18日(土)
会場:オンライン(Zoom)

内容:受講生が集まってワークショップの一部を作り・互いに試演する、対面形式の模擬実践を予定していましたが、感染症拡大の影響でオンラインに変更しました。ワークの「タネ」になりそうなアイディアを持ち寄り、その場で試してみるというスタイルの、オンライン版「思考と試行の会」を2回にわたり実施しました。
(文:石川)

実践

足立区

ゆるゆる企画会議 / リハーサル

2021年7月3日(土)、7月10日(土)、7月31日(土)、10月22日(金)、11月6日(金)

内容:足立区では前年度に引き続き、ポルテあすなろでの実施を行うことにしました。オンライン/対面両方の可能性を視野に入れながら8月中の開催を目指していましたが、コロナウイルス感染症の影響により一旦中止に。開催時期を11月に延期し、改めてそれへ向けての準備を進めることになりました。感染予防対策として、プログラムにおいて子どもたちは原則一人ずつの参加、一回あたり15分程度、できる限りムジタンツメンバーと参加者との直接接触は行わない、といった条件を設定。これまでに経験してきたオンライン等の技術やアイデアを活かしながら、いかに子どもたち一人ひとりの興味関心に寄り添えるかという観点を大切にしてプランを考えていきました。
最終的に、ピアノを演奏する酒井のみが参加者と同じ部屋内にいることとし、それ以外はビデオや音声を介したり壁越しに仕掛けを操作する等、遠隔にて参加者とのコミュニケーションを図ることにしました。リハーサルでは実際に機材周りのセッティング等も試しながら、プログラム内容を具体的に検証していきました。
(文:山崎)

足立区実施

2021年11月13日(土) (8/21から延期)

内容:プログラム名は「おひとりさまコンサート『ムジタンランド』」。参加する子どもたちには一人(場合によっては一組)ずつ来場してもらい、まずは会場となる部屋の外にて、オンライン会議システム越しに酒井・山崎と会話をします。そこでのやりとりを通して、あらかじめ準備していた4つのプログラム(①ねえ、聞いて!体操/②音楽タイムマシーン/③好きに踊ろう!鏡の国のムジタンツ/④お話ムジタンツ)から一つを子ども自身が選んだ上で入室し、選択したプログラムを体験するという仕組みとしました。使用楽曲はバッハ作曲《インベンション8番》、シューマン作曲 《子供の情景》より「見知らぬ国」、ドビュッシー作曲《子供の領分》より「ゴリウォークのケークウォーク」、バルトーク作曲《ルーマニア舞曲》など。
一人ずつのプログラムという普段はなかなか体験することがないような状況の中で、それぞれの好奇心が垣間見えたり、ごく私的な話題に触れる瞬間があったりと、「おひとりさま」だからこそ生まれてきた様子がとても印象的でした。
(文:山崎)

墨田区

ゆるゆる企画会議

2021年10月20日(水)、11月3日(水)

内容:墨田区実施では、両国門天ホールと連携し、大人向けのプログラム開発(将来的には、高齢者向け)に取り組むことにしました。門天ホールの支配人の方とは地域の音楽ホールのあり方についてお話を伺い、ご近所付き合いとは少し違う”サードプレイス”としての場作り、趣味を介したコミュニティ作りについて想いを馳せながら、プログラム作りを行っていきました。大人にとっての好奇心や、居心地の良さ、参加への抵抗やハードルについて考えたり話し合ったりしながら、具体的なアクティビティー案を考えていきました。
(文:酒井)

リハーサル

2021年11月14日(日)、11月20日(土)、11月24日(水)

内容:ブラームス作曲《ヴァイオリンソナタ2番》1楽章を用いることにしました。ブラームスの秘密の恋人クララを象徴している(と言われている)冒頭のモチーフと、第2テーマとそっくりである(と言われている)歌曲「メロディーのように」の歌詞に着目し、参加者自らが曲中を探索するようなプログラムを組み立てていきました。クララのモチーフを身体で体験するアクティビティや、ジェスチャーゲームをするといったアクティビティを実際に試しながら、プログラムを整えていきました。
(文:酒井)

実施

2021年11月26日(金)

内容:新型コロナウイルスの影響も鑑み、関係者向けのパイロットプログラムとして実施しました。墨田区役所の方、台東区役所の方、墨田区文化振興財団の方などにもご参加をいただきました。最初は緊張感がありましたが、プログラムが進むについて場の空気が柔らかく和んでいくのが印象的でした。プログラムを行う前と後にブラームス作曲《ヴァイオリンソナタ2番》1楽章を聴いていただき、その印象の違いを尋ねたところ「とても違って聴こえました。イメージの広がりや、身体がポカポカする感じ」「より深く曲にダイブできた感覚があった。曲に肉がついて立ち上がってきた感じ」「クララの音がどんどんいろいろ広がりました」「みんなで聴いている感があった」等々のフィードバックをいただきました。
(文:酒井)

台東区

新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度のプログラム実施は見送りとなりました。
台東区自治体職員の方々には、墨田区プログラム実施にご参加いただきました。

ドキュメンテーション+評価について(足立区実践・墨田区実践)

2021年12月19日(日)

内容:6月〜7月に実施した「ドキュメンテーション」の講座をふまえ、足立区実践ではドキュメンテーションを実際に行ってみました。その後、振り返りの素材としてこの記録を活用し、学びの一助としました。また、同時に試作したロジックモデルについて再考することで、事務局、受講生含めムジタンツのプログラムを行っていく中でどのようなことが起こって欲しいのかをもう一度考える機会となりました。
プログラム中ずっと記述するのは想像以上に大変で、記録者によっても少しづつ現場で起こっていることの見取り方が異なりました。それらのおかげで、自分一人では気づけなかったことも振り返りの時間に共有することでそれぞれの「見方」を広げることができたと感じています。
(文:石川)

3区合同振り返り

2022年2月2日

3区のご担当者および足立区実施先スタッフの方にお集まりいただき、合同で振り返りの会を実施しました。また、最終年度の振り返りとして、苅宿俊文先生をお招きし、学習論の観点からみたムジタンツの価値について、ラーニングコミュニティについてご講義をいただきました。

(フィードバックより)

<足立区 シティプロモーション課>
コロナの影響の中で、なかなか事務局のみなさまが思い描いていたものとは違ったかもしれないですが、子どもたちに体験活動をさせてあげられたというのは、すごく彼らの未来に投資ができたのかな、と思っているところです。
実際に、足立区で平成30年に一年間で文化芸術の作品に触れたことがある子ども(小学5年生・中学1年生)の割合が89%というデータがあり、令和3年だと58%にまで落ちてるんですね。コロナの影響を大に受けているわけで、貧困の方だけではなく、子どもたちの文化芸術に触れる機会そのものが減っている。クラシックの音楽はなかなか劇場に行かないと聴けないと思うのですが、ハードルを下げて、こういうふうに子どもたちに提供できたというのはすごく良いことだなと思いますし、今後もより広く提供できるワークショップとして継続的に続けていければいいな、と思いました。

<墨田区文化芸術振興課>
今年のムジタンツ(墨田区実施プログラム)は大人向け、将来的には高齢者向けも見越したプログラム開発ということで。単身の高齢者の方の「孤独」なども社会問題化していますが、こういったプログラムがあり、さらにそれを磨き上げていけば、無理矢理に交流をもたせるのではなく、ムジタンツのもとに集まって自然とコミュニティが形成され、社会課題の解決・解消にもつなげられるんじゃないかな、と思います。言葉を使わずにコミュニケーションをとれる。(今年度の墨田区実施プログラムでは)ジェスチャーとかいきなりふられて大変でしたけど、いま振り返るとそういったことを通して知らない人と打ち解けて、自然とコミュニケーションや会話も生まれたりして、会ったことのない人とも仲良くなれたりしました。今後もどんどん研究を続けて、より社会課題の解決等にも結びつけていただけたらいいなと思いました。

<台東区文化産業観光部文化振興課>
クラシック音楽1つの曲について学ぶことは初めてでしたが、何度も出てくるフレーズや歌詞を、説明だけではなく体や頭を動かしながら学ぶことで、よりその音楽について知ることができました。参加してから日が経過しましたが、今でも音楽を思い出すことが出来ており、頭や体を動かしながらの方が頭に残ると感じました。
また、知り合いがいない状態での参加に緊張しておりましたが、アイスブレイクやグループでの話し合いの時間があったことで、安心して楽しく参加することができました。
この楽しみながら音楽を学べる活動が、地域とアートを繋ぐことや課題解決に繋がっていくことは、とても素敵な活動であると感じました。