私たちの考える 「アラスミ・アーツカウンシル」発表
グループA:文化交易船 あつまるー枠で質の高い「てしごと」あふれる街に
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船をアーツカウンシルにしてしまうというグループAの構想に対して、3区それぞれが興味と期待を持ってディスカッションに参加。3区連携の中間支援という役割を果たす目的に船を機能させることができるかの議論に発展した。
船を使うアイデアについて
足立区
墨田区
台東区
学生
台東区
3区連携の中間支援の役割、移動する船をどう活用するか?
台東区
アートプロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢」で隅田川を航行する「ファスナーの船」では企画は実際にどうだったのでしょう?
学生
墨田区
台東区
アーツカウンシルのことを知らない人にも、船のカフェに興味を持ってもらえれば。
学生
台東区
学生
足立区
学生
台東区
グループA総評
担当コーチ:三田真由美(一般財団法人地域創造)
グループAでは、3区の文化政策や文化・芸術の活動を行うキーパーソンのリサーチを経て、文化資源としての伝統工芸や、若手クリエイターによる創作物、中小企業の産業、古民家を活用したカフェ等に着目しました。文化・芸術という既存の枠では括りきれない分野のほか、古いものを活用した新しいカルチャーから伝統的なものまでも含みました。それらを「てしごと」と定義づけることとして、アラスミ・アーツカウンシルの対象とすることにしました。
「粋で質の高い『てしごと』溢れる街に。魅力的な個性を持ち、住みたいと思えるまちづくりに貢献する」を組織のヴィジョン、「『てしごと』を生み出す人を対象に『居住・制作・流通・交流』しやすい環境整備を行っていく」をミッションとしました。それらを達成するために、支援事業と自主事業を考えました。支援事業では「てしごと」のリサーチやマッチングの実施、自主事業では隅田川を往来する定期便の水上バスを間借りし、アーツカウンシルの拠点とすることや、そこでマルシェやカフェ、パフォーマンスイベントによる事業を考案しました。
隅田川を往来する水上バスを使った自主事業のアイデアは「3区連携の場合、事務所はどこに置くのが最適なのか?」という問いから生まれたものです。アラスミ・アーツカウンシルは、3区の広域連携であることから1つの場所に事務所を定着させると1つの区が優位になるのではないか、それならば3区の間に流れる隅田川を船で移動するアーツカウンシルをつくったらよいのではないか、とアイデアにつながりました。また、新たなアーツカウンシルを設立するのであれば、もっといろんな人に知ってもらう必要があるのではないかという考えもあり、アーツカウンシルが相談や支援を求める人を「待つ」のではなく、それぞれの地域に「出掛けていく」ことを体現しているそうです。
中間発表を聞いた各行政の担当者からは、コロナ禍の観光地に賑わいを取り戻す面からも面白いという意見や、区の担当者は流動的なのでリサーチで得たノウハウを共有してくれる組織があればありがたい等の意見をいただきました。
構想の中でも、水上バスを使ったマルシェの開催は、「てしごと」を流通させるための一つの支援策としてとりわけユニークだと感じました。中間支援というよりはアートプロジェクト(学生には、アートプロジェクトの運営に携わっている人が多かったからなのか)のようなのですが、私自身が公的機関の支援策といえば助成金等の資金提供が主という固定概念もあったので、マルシェという「場」を提供するという支援が新鮮でもありました。
「あつまる(art丸/集まる)」と名付けられたこの水上バスの事業では、マルシェの他にも、船内では3区内にあるカフェ等飲食店の出張営業、また潮の満ち引きを感じられる新月や満月にはパフォーマンスイベントを開催などのアイデアもありました。隅田川という資源を活かしながら、「地域」の人が、「地域」で作られたものを購入できるので、エシカルな流通と考えることもできそうです。船の上でのマルシェは購買の体験としてもきっと楽しく、江戸時代に物売り船というものがあったそうですが、そのストーリーを知れば、さらに購買意欲を刺激するものになるかもしれません。
また、飛躍しすぎた話になってしまいますが、このような仕組みによって、地域で作られた創作物が地域で購入される小さな経済圏ができれば、アーティストへの支援にもなり、新たな文化が生まれやすい環境にも結び付くかもしれないとも考えます。もともと墨田区・台東区・足立区は東京藝大が上野や北千住に校舎を構える環境や、東京アートポイント計画共催によるアートプロジェクトなど、まちなかでのアートイベントが行われている地域でもあることから、まちなかで行われている無料アートイベントだから参加してきた人たちが、文化芸術に親しみ、アートの購入につなげられたのなら、さらなる文化・芸術の活性化になるかもしれません。